現在自分が持っている冬のガイド資格は、あくまでもApprenticeという見習い資格なので、このように経験者が揃っている会社に所属し、その会社からの監督のもとガイドして行く形となります。監督と言っても一緒にいかなくてはいけない訳ではなく、事前ミーティングしてある程度の意識のすり合わせができていれば、現場では一人で行くことになります。
この経験者というところがキーで、特にガイドキャリアの初期にはちゃんとした指導者につき、経験を積んで行くことが大切です。
その点ではYMAには、パタゴニアのアンバサダーを務めるバリー・ブランチャードや雪崩業界に長く身をおく、ジェームス・ブレンチを始め、国際ガイドが多数、あと一つの試験で国際ガイドになる方々が多数と、非常に経験に囲まれているので、修行にはもってこいの環境です。
ちなみに、カナダでの国際ガイドは、
アルパインガイドという資格+スキーガイドという資格を取得すると、自動的に国際ガイドになります。
登りもできてスキーも出来る、ドラクエでいうところの賢者みたいな存在です。
今回のスタッフトレーニングには、国際ガイド8名、あとひとつの試験で国際ガイドが4名、アルパインガイド2名、スキーガイド1名、そしてアプレンティススキーガイドが3名が参加。
アプレンティスガイドなんて、一番下なわけです。
小学校6年生で偉そうにしていて中1で下っ端に、中3から高1、高1から大1、大4から社会人、夏ガイド始めて10年で冬ガイドを初めて、また下っ端に。
ふー、人生は長いっす。
話がそれましたが、いつもは試験管や講師として接する人達と同僚として、接することができたのは非常に良い経験でした。
さて、スタッフトレーニングは合計3日間。
1日目 クラスルームでの、ポリシー、アクシデントプロシジャーの確認、国立公園のレンジャーとのミーティング、カナダ山岳会とのミーティング、主に使用している雪崩ギアの会社であるBCAからの商品紹介、雪崩予報のブラッシュアップなど、苦手な室内ながら、内容の濃いものでした。
特に良かったのは、雪崩の権威ジェームス・ブレンチからのYMAのガイド向けに特化した講義。
内容は、しっかり雪の密度を計算して、今ある積雪に対してどのくらいの割合で増えたかを行く現場で計算しましょうというもの。
カナダは、雪崩予報はInfoEXとよばれるオペレーション間での情報交換がしっかりしている分、本当のローカル(自分が行く場所)の予報が疎かになりがちという弊害があるので、特にアイスクライミングガイドはしっかりね。というものでした。
ジェームスからの講義 |
BCAの新しいAirbagの紹介 |
2日目ー3日目は、ボウハットでの講習。
5名のグループx4に別れ、実際にガイディングしながら上がっていく。
私はグループB。そのグループのリーダーを任されました。前述のとおり経験者揃いなので、リーダーといってもなんだか試験みたいで緊張しました。まーこのような状況でしっかり出来れば、次の試験も大丈夫なわけで、ポジティブに考え楽しめました。
山小屋についてからは各グループごとのデブリーフ、グルーム間での情報交換、過去にあったニアミスから学ぶこと、などを網羅しながら、ディナー、そして飲みと続いて行きました。
3日目は山小屋の近くで、
クレバスレスキュー、トランシーバーサーチ、深い埋没の対応などのシュミレーションを各グループで行い、下山しながらスノープロファイルのおさらいと、盛りだくさんの内容でした。
自分は残念ながら、次の日からのバックカントリーガイドの為、お客さんと打ち合わせがあったので、
スノープロファイルはスキップして先に下山してしまいました。
やっと始まった冬のガイド、ここからが勝負なので日々是学習の精神で、先輩からガンガン学んでいきたいと思います。
今年からパタゴニアからスポンサーを受けるので、 新しいジャケットに身を包む |
ボウハットへの道 |
氷河に寄り道し、ルートファインディングの練習 |
夜のソーシャルタイム |
昨晩の成果 |
氷河へ |
クレバスレスキューのトレーニング |