天の記



新田次郎の「剣岳<点の記>」を題材として作成された映画、「点の記」。その映画にさきがけて、読みやすく再小説化され発行された新版。文藝春秋から発行されているんだけど、そもそも再小説化ってなんだ?オリジナルとほぼ一緒だと思うんだけど、気になる。

映画のほうは、剣岳を題材としている映画だけあって、今年の夏のツアーでもお客さんから結構この話を聞いた。新田次郎ファンだけど、読んだことない本だったので、ぜひ読みます!みたいな話をしていたら、ちょうど持ってきていた人がいらして、お土産にそのまま頂いた本。 

非常に読みやすく(この辺が新版だからか?)、あっという間に読めるんだけど、内容は日露戦争後、日本の山々を測量してまわった測量局の人々が、付近の山々に三角点を設けつつ、剣岳を初登頂するまでの話。 
日本に発足したばかりの山岳会とのし烈な初登頂争いを、ほぼ一夏ずーと山にこもって三角点をつくりながら、山に挑戦したチーム。 
明治の装備で北アルプスに一夏こもるっていうのが、まずすごい。山の地図をどうやって作っていったかというのも参考になった。 

カナダの山々には三角点はないけれど、それは歴史が浅いので測量が始った時には、既に測量の方法が違ったということかな? 
今までは三角点は不粋に見えていたけど、これからは趣が変わる。 

これで剣岳に行く人が増えたっていうし、その勢いで山に来る人が増えたらいいな。 
だれか、カナディアンロッキーの難峰、マウント・アルバータを初登頂した槇 有恒隊の映画作らないかな? 

次は映画を見るべし