【ギアレビュー】モンベル L.W.シットハーネス

モンベルのライトなハーネス
カナダやヨーロッパで氷河スキーをしたい場合、一番気にすることはクレバスに落ちることです。数10mの穴に落ちてそのまま”あの世”に行ってしまう場合もありますが、大抵の場合は途中でひっかかりロープでレスキューをしてもらうことになります。その際必要になるのは”ハーネス”
 
クレバスに落ちる事故は毎年世界中であるにしろ、氷河スキーヤーの全体数から見ると稀です。多くの氷河は見えますし、歩いている時は落ちないように既にハーネス経由でロープに繋がっているからです。

ということで、安全のために必要なハーネスですが、あまり多くないであろう落下に備えてガッチリとしたハーネスを持っていくのは、ただでさえ荷物が重い氷河スキーには気が引けます。またクレバス上の落下は、クライミング時のような大きな衝撃がかかることは稀なので、ガッチリとしたハーネスはやはり必要ないといえます。

これはアルパインクライミングにも言える事で、ルートが簡単で大きなフォールをする想定がない場合などは、軽い(薄い)ハーネスでも事足ります。

ということで、クレバスや墜落の可能性はあるが衝撃は少ないと想定され、荷物を減らしたい場合には軽いハーネスを選ぶことができ、そんな時におすすめなのが、今回のハーネスです。

商品名は、モンベルのL.Wシットハーネス。衝撃荷重が大きくかからない時に使用するように設計された商品ですね。

同様のものに、ブラックダイヤモンド社のクーロアール(1万2千円、215g)、ペツル社のアルティテュード(7,950円、150g)などがあります。

モンベルの本商品は5,400円で200gです。

大きな特徴としては、レッグループがバックルでとめることができるので、スキーブーツはもちろん、スキーを履いたままでも装着ができるところです。

そしてやはり軽くて、かさばらない。これ重要ですよね。普通のハーネスってガッチリしているので存在感がありますので。

装着方法その1
ウェストベルトを巻きレーループを股間の下を通してキャッチ

装着方法その2
ビレーループをウェストベルトに通してからウェストベルトをしめる
装着方法その3
レッグループのバックルをとめて
できあがり!
後ろから

唯一の注意点は、おしりのバックルの位置。
少し大きめのザックを背負う場合、バックルが尾骨にあたり痛いです。
これはDIYして解消することができるので、少し改造したほうが良いです。ただ30-40Lぐらいのザックであれば問題ないので、日帰り派の人は気にしなくて良いです。

改造前
おしりのところのバックルが上すぎる
改造後
切って、左右に振り縫直し
他社の製品、バックルが少し下にずれていることによって干渉を回避している
改めてになりますが、このような商品は長い間ハングする状況や、大きな墜落が想定される場合には不向きなものですので、自分の山行を想定して、荷物が軽くできそうな場合は是非チョイスしてみて下さい。