Gear Review スーパーエクスペディションパック 90L

スーパーエクスペディションパック90L

久々のギアレビューは、大型バックパック。
80L以上のパックは、夏のバックパッキングや冬のスキー縦走の際に使用する大きさです。容量が多いということは、たくさんの荷物を背負う必要がある、つまり荷重が重くなります。荷重が重いということは、背負心地が良くないと、また使い勝手が良くないと、すごい大変な山行になってしまうので、大型パックは慎重に選びたいこところです。

逆を言うと、20-40Lぐらいのパックは、背負う重量もたかがしれているので、多少体に合っていなくても、あまり問題がないとも言えます。

さて、今回レビューするのはモンベルで一番大型のスーパーエクスペディションシリーズです。90Lと110Lがありますが、自分は110Lは使用したことがないですね。今後もそんなに重い荷物を背負わなくてもいいことを祈ります(笑) 

スペック詳細はモンベルのホームページからどうぞ

友人に背負ってもらい1泊2日の登山へ。

さて、ザックの全体の評価としては、10段階でいうと6-7ぐらいでしょうか。
すごい良いわけではないが、普通よりは上です。
金額は、約19,000とこれは、かなり安い。相変わらずコストパフォーマンスに優れています。

競合製品は、
グレゴリーだとホイットニー 49,000円
オスプレーはイーサーで、33,480円

価格差は歴然ですね。ただ、バックパック、特に大型は前述したとおり、重い荷物を背負うのが前提のわけですので、体に合わないと苦痛以外の何物にもなりませんので、多少お金を多く払っても、そっちのバックのほうが体に合うのであれば、そちらを選ぶべきです。

以前は、初期のイーサー(オスプレー)を使用していましたが、これはかなり使いやすかったです。大型バックに求められる使い勝手を全て持っていて、かつザック自体が軽い、10年近く使用しても壊れる箇所がない頑丈さも良かったです。現在の形にイーサーが代替わりしてからは、あまり好きではなくなりました。

名器だった初代のイーサー。
背面のメッシュが緩くて、なんでも入るのが逆によかった

さて、大型バックですが私が選ぶポイントを紹介しますと。

1. 背負やすさ
→ ダントツ一番重要な部分です。私の体にはこのバックは問題なくフィットしますね。

何回かバックパッキングに使用しましたが、背負い心地は良かったですね。

2. 2気室である
→ 2気室とはザックのボトムの部分にジッパーがついていてそこから荷物の下に直接アクセスできることです。大型ザックは荷物が多くなるので、2気室にしないと行動中に荷物を取り出す時に大変です。1気室の場合それを見越してパッキングすればいいのですが、なにかと想定外が起こるのが山。その度に全部荷物をだしてたりするとめんどいです。
モンベルのこの製品は、何故か1気室。個人的にはこれはかなりのマイナスポイントです。

実は見た目は2気室のようなジッパーが付いているのですが、これはメイン部分にアクセスするためのもの。ジッパー自体は重量が重いので、どうせつけるなら2気室にして欲しかったです。メイン部分にアクセスするのは、サイドにジッパーをつければいいと思いますね。
一見2気室だが、ジッパをあけると下記の写真のように。
この機能はいらないと思います。
2気室っぽいジッパーを開けると、メイン部分にアクセスするためだった。
大型パックは荷物が多く、大抵パンパンにつめるので、ここがあいても実際中の物を取り出すことはできない。取り出したあと、再度荷物を詰め直すのもこの状態からだと不可能。

3.外側にストラップが多く付いている
→ 荷物があふれないことが一番ですが、長期山行になると荷物を外に付ける必要があることも。その際にストラップがあると助かります。ジャケットとくくりつけるとか、ロープとか、アックスとか。
前述のオスプレーは、3本のストラップが平行に走っていたので、あれは本当に便利でした。

雨蓋にはストラップを付けられるフックが4ヶ所。これはグッドポイント。
自分の好きなストラップを付けましょう

4. ショルダー、ヒップベルトの厚みがある程度厚い。
→ 厚みが増すと重量も増えますが、重い荷物が肩に食い込むよりましです。
スーパーエクスペディションパックの90Lのベルトは十分な厚みがありました。

ヒップベルトのクッションは移動式。注意点はこのように尾てい骨部分のパッドと離れていると、
縁があたっておしりが痛くなる。

5. 伸縮十分なメッシュポケットがついている
→ 水筒とか燃料ボトルとかを挿しこむ際に、伸縮しない生地だと入らないことがあります。このバックのサイドポケットは遊びが少なすぎるのでマイナスポイントでした。もっと遊びがないと、色々なものが差し込めませんので。
また、背面ポケットとつけてしまったことにより、背面にものを付けることができません。再度になりますが、ここは2気室用のポケットに変更し、上の部分はストラップや緩めのメッシュがあるといいと思いますね。

サイドのポケットにゆとりがあると嬉しい。
できれば、メッシュで下の写真のようにアングルがついていると最高

北米スタンダードのナルゲンがすっぽりはいる。
そしてアングルが付いてることにより、背負っていても簡単に取り出すことが可能
6. ヒップベルトが絞り込む方向
→言葉だと説明しづですが、下記の写真の通り、ヒップベルトを内側に引くタイプのものは、力がいれやすいです。特に女性は外に引っ張るのが力が入らなく、必要十分にいけないケースが見受けられます。私の知る所、オスプレーとドイターは引くタイプでした。グレゴリーやアークテリクスは不明です。


ベルトを引いた後、ストラップがダラっとしてしまうことが多いが、このクリップによりスッキリ収納。
これはグッドポイント。

ショルダーストラップの収納用にもクリップがあるが、
これは普段別に邪魔にならないので、なくてOK

チェストストラップは無断階で位置を調整できる。これはグッド。
ショルダーストラップの部分にウェビングも付けてくれると、カメラバックとかと付けることができるので、
尚可。
モンベルのスーパーエクスペディションパック90Lが、2気室になり、サイドポケット、背面ポケット+ストラップなどを装備、ヒップベルトにも小さなポケットなどを付けてくれれば、間違いなく最強パックでしょう。今後に期待です。

大型ザックは背負って何日間か背負わないと自分にあっているのかがわからないのが実情です。でもザック自体は高価。難しいところですが、とりあえず良さげなのを購入し、合わなければすぐにヤフオク。これを繰り返して自分にあったのを見つけて下さい!