下記の荷物をすべて収めたところ。 ヘルメットの収納メッシュを後付けで欲しいです。 モンベルさん製品化お願いします。 |
本日は趣向を変えたトピックで、”ガイドの持ち物”を紹介したいと思います。
趣味でバックカントリーを楽しんでいる人と、プロガイドとしてやっている人とで、意思決定のプロセス、日頃の情報収集、実地での経験、などなど異なることは沢山ありますが、緊急時の備えもその1つです。
この備えとは、ギア的なことも=ハードもそうですし、それ使いこなす技術的なこと=ソフトも含めてです。
何事も起きないに越したことはないですし、通常何も起きないですよね。
ただ、何か起きた時にどうするか?
その対応をスムーズにできるかどうか、スムーズにおこなう為に日頃から備えをしているかどうか、
この辺の意識、訓練が一般ユーザーと大きく異なると私は思っています。
もちろん、一般ユーザーでも緊急時の備えが完璧な人も沢山いますので、あくまでも一般論ですので、あしからず。
今日はギアを紹介しますが、それを使いこなす技術面として、私個人では、下記の様に技術レベルの維持に務めています。
ファーストエイド
→過去9年間スキー場でパトロールをしているので、日常的にファーストエイド技術を使っています。
ビーコン等の雪崩レスキュー
→ 雪崩講習を定期的に教えながら、プロセスを自分自身で再確認。また、冬シーズン頭のガイドトレーニングでは大規模なシュミレーションに参加して、実地訓練する
GPS / 無線 / SPOT(GPSを利用した救難信号発信機)などの電子機器
→元々この手のアイテムは好きなので、絶えず情報をアップデート。
個人でおこなう山行でも氷河上でのホワイトアウトはザラなので、実地で経験を積む。
無線の利用は、スキーパトロール時に常時使用しているので、無線越しの英語も問題なし。
過去11年間でレスキューも2回要請しました。1回は自分のお客様、もう1回は他人のため
この手の訓練は一旦やらなくなるとすぐに錆びれる技術+毎回改善点があるので、これでおしまいというものではありませんので、今後も更に精度があげられるように、訓練していく必要があります。
さー話はそれましたが、そんな技術を支えるギア=ハードをどんなものを持っているのか?
そして、重量がどのくらいあるのかを紹介したいと思います。
番号順にいきましょう
① 195g ライター、電池の予備、お守り
② 1250g バックパック(モンベル グラナイト40L)
③ 520g ダウンジャケット(モンベル パーマフロストダウンパーカ)
④ 350g ヘルメット(スミス メイズ)
⑤ 200g ノート+ペン+温度計(Rite in the Rain)
⑥ 500g リペアキット(ガムテープ、マルチツール、針金、ゴムバンド、接着剤)
⑦ 850g レスキュー用タープ(Alpinethred works)
⑧ 170g ゴーグル(Smith I/OX)
⑨ 380g 細びき+カラビナ
⑩ 500g ファーストエイドキット(CPR用ポケットマスク、添え木、薬、バンドエイド等)
⑪ 500g 業務用無線(八重洲VX7)
⑫ 200g ビーコン(マムートPulse)
⑬ 135g SPOT(救難信号発信機)
⑭ 160g GPS(Garmin eTrex20)
⑮ 90g iPhone用チャージャー
⑮ 50g サングラス(スミス タッチストーン)
⑯ 760g シャベル(BCA Companion Shovel)
⑰ 70g トイレットペーパー+消毒液
⑱ 70g 日焼け止め+リップ
⑲ 700g クライミングスキン(ブラックダイアモンド モヘアピュア)
⑳ 330g プローブ(ブラックダイアモンド Quickdraw Guide 300cm)
㉑ 90g 時計(カシオ プロトレック)
㉒ 310g グローブ厚手、中厚、薄手(モンベル OurDryアルパイングローブ、サンダーパスグローブ)
㉓ 155g スノーソー(Life-Link)
㉔ 475g 雪観察キット(ルーペ、スクリーン、1m、2mの定規、シャーペン、コンパス、温度計)
㉕ 60g 地図一式(カナダの地図1枚60g)
総重量9020g、つまり9kg。
写真に撮り忘れていたもので、
水筒 (水1Lで1kg)
予備のダウン(モンベル プラズマ1000)
予備のサングラス(50g)
全部合わせると、総重量は約10kgということになりますね。
これに加え、私の場合スキーが
DPSのWailer 112RPで3.66kg
バインディングがDynafitのRadicalで530g
ブーツはScarpaのFreedom SL3.6kgなので、
7.79kgが追加。
ランチ、スナック、着ている洋服も入れると、総重量20kgぐらいが自分の体重にプラスされていることになります。
んー、大変な仕事だ。
さて、ギアに話を戻しましょう。
多くの物はバックカントリーユーザにするとあたり前の物だと思います。
コメントをつけると、
③ ダウンジャケット
→ かさばるのでスタッフサックに入れたり、きちんとたたんだりしないでバックパックに入れるのがポイントです。そのまま押し込みながら、空きスペースを埋めていくと、バックパックの形も綺麗になります。
④ ヘルメット
→BC州だけですが、今年からガイディング中の頭部の負傷に対しての保険適用が、ヘルメットの着用時に限るというルールができたので、バックカントリーにも持参しています。
⑥ リペアキット
→バインディングの補修、スキンの補修等でよくリペアキットは使用します。
⑦ レスキュ用タープ
→ソリにもなるタイプのタープです。ぶっちゃけ一番重いですし、いつ使うかわかりませんが、ガイドとしてはマストのアイテムです。
⑨ 細びき
→ レスキュー用タープを使用する際に必要なので持参しています。
先日の日本ツアーで、沢に開いたふかーい穴に落ちた別パーティーの女性を引きずりあげるのに使用しました。持ってて良かったですね。
⑬ SPOT
→日本では電波法?の問題で利用できませんが、北米ではポピュラーなレスキューアイテムです。
⑮ iPhone用チャージャー
→ 最近のiPhoneには地図も入るし、GPSもあり、写真も動画も取れる、必須アイテムなので外部バッテリーを持ち歩いています。
ということで、20kgの重量を体に加えながら、毎日山を歩いて滑っているわけです。
好きでないとできない仕事ですねー。
ということで、今週の日曜日から8日間、バックカントリーロッジに入ってガイディングをしてきます!