全長130kmの概念図、あくまでも適当な線なのであしからず |
その際の様子を改めて紹介。
スキー縦走って?
英語ではスキートラバース(Ski Traverse)といわれ、スキー、テレマーク、スプリットボードを使用し、ある地点から目的地点まで歩くタイプの登山。
カナダでは非常にポピュラーな登山体系で、日帰り、数泊のものから、1ヶ月に及ぶものまで個々人のレベルに応じて楽しめる。ロッキー地区で最もポピュラーで入門編といえるものに、ワプタトラバースというものもある。
バガブー~ロジャースパス(Bugaboos to RogersPass)のスキー縦走の概要
地域 :セルカーク山脈、パセール山脈
距離 :130km
標高差:10,000m
日程 :2005年4月23日~5月6日
日数 :14日間
使用地図:
82K/10 Howser Creek(なくてもOK)
82K/15 Bagaboo Creek(普通の頻度)
82K/14 Westfall River(頻繁に使用)
82N/3 Mount Wheeler(頻繁に使用)
通過する氷河:15以上
今回我々の挑戦したスキー縦走。日本でもクライミングをする人にはバガブー、バガブー山群という名前は有名だろう、一方ロジャースパスもバックカントリースキーをする人は名前ぐらい耳にしたことがあるのではないか?今回の旅はこの二つの超有名スポットをスキーで縦走しちゃおうという物である。
一言でスキー縦走といっても、この二つのスポットは約130kmも離れており、道中小さい規模も数えれば20個弱の氷河を横断し、又数え切れない峠越えを繰り返しながら2週間かけて縦走するものである。これは総標高差10,000mという数字にも表れている。
一般的な縦走時期としては、天候と雪質の安定する4月中旬~5月中旬。雪の多い年であればもうちょっと遅らせることが可能みたいだが、ここ数年雪が多い年自体があまりないので上記の期間が無難であろう。また、縦走ルートは雪崩危険度の高い斜面が多いので、雪の不安定な時期には非常にチャレンジング(不可能?)な縦走になる。
技術レベル的には、あきらかに初心者向きではないが、チームの中にアルパインクライミング、バックカントリー、雪山登山の経験が豊かなリーダがいれば、あとは体力次第で乗り切ることができるだろう。縦走中のあるポイントでは高速道路から最大50kmも離れている場所があり、緊急脱出が容易にはいかないので、自分の体調コントロールをしっかりする必要がある。同じ観点から業務用の無線(ヤエス、ケンウッド等)、もしくは衛星電話を携帯することを強くお勧めする。
食料はアップダウンが激しい地形の為ソリなどは引けないので、前半戦と後半戦に旅を分け、後半戦分は途中の山小屋に事前にスノーモービルで運びあげておいた。山小屋にいるネズミ類に食べられないように、デポした食料には香辛料と洗剤を混ぜたスペシャル粉を振りかけておいた。
装備類、行程、写真集などはのちほど紹介