Gear Review モンベル ストームクルーザー ジャケット&パンツ

雨具のベストセラー、ストームクルーザー
日本の梅雨も終わり猛暑が始まったようですが、午後に来る雷、台風などなど、日本は質の良い雨具が本当に必要な国の1つです。私の住んでいるカナディアンロッキーは年間平均降水量が500mmほどしかなく、かなーり乾燥しているエリアなので立派な雨具を持っているカナディアンははっきり言って少ないです。ただ、最近の気候変動の影響?かどうかはわかりませんが、6月ははっきり言って雨が多いですし、2015年の7月も不安定な天気が続き豪雨になることも。つまり雨具が必要なシチュエーションが多くなって来ています。ロッキーの雨は一旦降りだすと北海道の高山の様に気温も下がり、雨粒自体も冷たいので、しょぼい雨具、もしくはウィンドブレーカーしか持っていなく軽い低体温症になっているハイカーも見かけるぐらいです。

そろそろしっかりとした雨具の需要もロッキーで出てくる頃ですね。商売チャンス?

ということで、今回のレビューは雨具です。
モンベルの超ロングセラーの1つ”ストームクルーザー”。何しろ私が初めて買った雨具もこれでした。

お値段は、ジャケットが18,400円、パンツが11,400円。
商品詳細はモンベルのホームページから

雨具に求められる特徴は
1. 防水性がある
→ あたり前ですね

2. 軽い
→ 普段使用しないものですがいつもザックには入れておかないといけないので、持っているのを忘れるぐらい軽いほうがいいですね。

3. パンツの裾についてるジッパーが長い
→ 雨が降ったらサッと着るのが鉄則。わざわざ靴を脱いでパンツを履いている場合じゃないですね。その為に裾の外側に付いているジッパーが最低膝までないとスムーズに靴を履いたまま雨具のパンツを履くことができません。

4. 丈夫
→ あまり薄すぎるとちょこっとどこかに引っ掛けて穴が開く可能性があります。穴があるとそこから雨が入ってくるので、厚すぎず薄すぎずのバランスが大切です。

5. カラフル
→ 昔は上下同じ色の雨具が多かったですが、最近は別売り、かつ色も様々あります。
また、ジャケットとパンツでは使用頻度が違うため消耗度も異なります。上下が別売りならば上だけ買い直すなどできますね。

6. フードのかぶり心地
→ 雨の日はずっとフードをかぶっています

さて、モンベルのストームクルーザーは上記の特徴はどんな感じでしょうか?
1つずつ見ていきましょう。

1. 防水性
→ 外の雨を防ぎ、汗など中の湿気を出す。この矛盾した要求をこなすのが”防水透湿性生地”。一番有名なのはGore-Texですね。このジャケットもGore-Tex社の生地を使用しています。先日ロッキーにはありえない豪雨の中を3時間歩きましたが上下とも中は完全ドライ! ハイキングシューズの中に水たまりができるほど足は濡れましたが、さすがの防水性でした。
ロッキーの雨は寒いので中で蒸れることがないので、透湿性(中の湿気をだす)についてはテスト出来ませんでした。日本の使用だと脇下のジッパーなどがあると、換気ができて便利なのでしょうか?

2.軽い
→ ジャケット257g。500mlのペットボトルの約半分の重さですからいつもザックに入れていても気にならない重さです。モンベルにはもっと軽い商品”トレントフライヤー”215gと”バーサライト”168gがあります。重なりますがあまりに軽い=薄いと耐久性が犠牲になるので、このへんは用途によって選択する必要があります。
着心地ですが、GORE® C-ニット™バッカーテクノロジーというのを採用しており、昔のモデルよりかなりしなやかな着心地になっています。長時間来ていても邪魔になる感じはなかったです。

3. 裾のジッパーの長さ
→ 膝ぐらいまであるので、靴を履いたままでもさっと履くことができます。
でももうちょっと10cmほど、長くもてもいいかな?
最近のファイントラックの雨具はかなり太腿ぐらいまできていますね。見ていると使いやすそうでした。

4. 丈夫
→ バーサライトシリーズより少し厚い生地なので耐久性は問題なくあります。雨具は上下で買うと4万円近くするので、長く使用したいものなのでこの点もクリアでしょう。

5. カラフル
→ ウェブでみて頂くとわかりますがジャケット7色、パンツ4色とカラーバリエーションは十分すぎる程でしょう。私はオレンジのパンツを履いていますが、定番の黒よりは気に入っております

6. フードのフィット感
→ 大き目のフードなのでヘルメットや帽子に干渉することなくかぶることができます。
後頭部のコードを引っ張ると更にフィットが増すので、強風が吹いた時でも安心です。

競合他社ももちろん雨具をだしています。
例えば、パタゴニアであれば、トレントシェル348g、18360円。モンベルとほぼ同じ価格ですね。素材はパタゴニア独自のH2NOというもの。5年ほど前に2年間使用したことがありましたが、その時はイマイチでした。現在は改良されていると思いますが、私はGore-Texが安心感があって好みなので、どっちを選ぶかといえばモンベルでしょう。

モンベル同士で言うと、一段階軽いトレントフライヤー。個人的な軍配は正直トレントフライヤーです。これはガイドという職業柄やっぱり軽いほうがいい!ってことだけです。使用頻度も一般のかたから比べると高いので、どうせ数年で買い替えなので、耐久性はあまり求めないというのもあります。この辺は個人の好みになるでしょう。

トレントフライヤーのレビューはこちらから

ということで、普段は使用しないが使用する時は厳しいコンディション、なのでしっかりとした物を選びましょう。

ちなみに、”今日は雨具必要ですか?”という質問は私のガイディングツアーではなしです(笑)。いつもザックに入れておいて下さいねー!



身長173cm、体重65kg、サイズMを着用

後ろの着丈

フードのかぶり心地


動画も紹介